2013年6月15日土曜日

希望と絶望のPSP版ダンガンロンパレビュー

ダンガンロンパ!
アニメももうすぐ始まるダンガンロンパ。ゲームは超高校級に面白かったのでぜひ遊んでみて欲しい。
「ワックワクのドッキドキだよね!」
なお、この記事で使用しているすべての画像は筆者にPSPのキャプチャ環境がなかったため、iOS版のものである。ちなみに1章までは無料だ。


ダンガンロンパ

ジャンルはハイスピード推理アクション。要は謎解き+少しのアクションゲームだ。逆転裁判をやったことがある人なら、逆転裁判に多少のアクション要素を追加したものだと思ってくれればいい。

舞台は「超高校級」と称される優れた能力を持つ高校生ばかりが集められた「希望ヶ峰学園」。学園は外界から閉ざされ、「卒業する(外の世界へ出る)ためには仲間を殺すこと」という黒幕に定められたルールの元に次々と発生する殺人事件を「学級裁判」で解決しつつ、黒幕の正体を探っていく。

ストーリーは面白かったし、終盤の展開は秀逸だったので安心して遊べるゲームだ。ミステリーでは定番のクローズド・サークル。次々に起こる殺人。犯人は仲間の中にいる。次に殺されるのは一体誰か。そしてこの状況を仕組んだ黒幕とはいったい誰なのか。そして、犯行を暴かれた犯人、犯人を見つけられなかった生徒に下される”オシオキ”。モノクマの声は大山のぶ代。
気になったのならプレイしてもらっても損はさせないことを約束しよう。まさかあのキャラがあんなゴニョゴニョ…

さて、本ゲームは大きく2つのパートに分かれている。会話や捜索で情報を集める捜査パート。集めた情報から犯人を見つけ出す学級裁判パートだ。それぞれに希望や絶望がある。まずは本作品のメインの部分である学級裁判パートについて述べていこう。



学級裁判の希望と絶望

学級裁判パートはキャラクター達の討論形式で進んでいく。話がテンポ良く進んでいくので実に気持ちが良い。ダンガンロンパというタイトルなだけはあるといった所だ。学級裁判においてプレイヤーが操作する部分には「ノンストップ議論」「閃きアナグラム」「マシンガントークバトル」「クライマックス推理」といったものがある。
  • ノンストップ議論

本作品で最も登場回数が多く、かつ最も面白いシステム。プレイヤーはキャラクター同士の議論に矛盾点を見つけ、言弾(証拠)を撃ち込んで論破するといったものだ。ノンストップ議論の良いところはいちいち全ての発言に〝ゆさぶる〝をしなくてもいい所だ。撃ち込める言弾も全ての言弾の中から3つ程に絞られているのと言弾を撃ち込めるのは色の変わっている発言のみと指定されているので詰まりにくく、テンポ良く話が進むので気持ちがいい。論破時の演出もなかなかだ。


ノンストップ議論における問題点はサイレンサー機能と発言を記憶するシステムだ。

サイレンサー機能は議論以外の雑音、言わばガヤを撃ち落とすシステムだ。例えば矛盾点のある発言の上に雑音がかぶさっていると、言弾をぶつけて論破することができない。そこで、サイレンサーで雑音を撃ち落として言弾をぶつけるといった使い方になる。このサイレンサー機能だが正直に言うと特に面白みはない。矛盾点を見つけたときに雑音がかぶさっていたら手間が1つ増えるという印象だ。一応サイレンサーで雑音を撃ち落とした場合は持ち時間が少し増えるといったメリットもあるのだが、持ち時間が無くなることはほとんどないので恩恵は少ない。

発言を記憶するシステムは色の変わっている発言を言弾として取り込むことが出来るシステムだ。このシステムの絶望は一度最後まで議論を見終わってから、もう一度同じ議論を見なければならない所だ。議論の後半で記憶した発言を同じ議論の前半の発言に矛盾点として撃ち込むのは手間だし、せっかくのテンポも損なわれてしまっている。ただ、最後までプレイすればこのシステムも仕方ないと思ってしまうからずるい。ラストでは興奮してこれを使っていた。勿論面倒であることには変わりはなかったが。
  • 閃きアナグラム
どうしようもないシステム。穴埋めをするために言葉を撃ち落とせと言うものだが、大抵の場合は穴埋めにしなくても答えがわかるので3択とかでさっと終わらしてもらった方が数倍良い。テンポも損なわれているし、出てくる度に絶望する。

  • マシンガントークバトル
どうしようもないシステムその2。突然リズムゲームが始まる。タイミングよく丸やら四角やらを押していくだけで、このモードでは特に頭は使わない。謎解きを楽しむゲームなのに変にバラエティに富もうとした結果がこれだ。

  • クライマックス推理

アメコミ風に描かれた事件の顛末の抜けているコマを埋めることで犯人を推理するモード。選択肢のコマが小さいことと、非常に似ているコマがあるせいで詰まったら抜け出しにくいのが難点。ただ、苗木君(主人公)の解説と最後に犯人が明かされるシーンはかっこいい。


捜査パートの希望と絶望

捜査パートではプレイヤーは廊下と各部屋を動き回ることになる。

廊下では一人称視点となり自由に動き回ることができるのだが、これが実に面倒だ。というのも廊下では〝特にやることがない〝からだ。まず、証拠品は部屋を捜索することでしか手に入いらない。廊下にキャラが立っていた場合会話をすることはできるが、それ以上のことはない。廊下部分は部屋に移動するための面倒な部分でしかなく、それなら逆転裁判のように各場所を選択して移動でよかったのに。

また、部屋の捜索時はカーソルはスティック、視点は十字キーで動かすようになっている。なので十字キーを使用しなければ部屋全体を見渡すことができない。カーソルに視点が付いてきてくれればよかったのに。



ここまで書いてからiOS版をプレイしてみたのだが、思ったより酷かったので注意勧告。
ダンガンロンパはPSP版、iOS版、Android版がリリースされている。iOS版、Android版を購入する場合はiOS版のレビューをしているこの記事を読んでからにしたほうがいいかもしれない。とてもじゃないがまともに操作できるとは言い難かった。
セラミックロケッツ!: iOS版ダンガンロンパレビュー

僕はPSP版、iOS版を触った感想といして、PSP版を購入することを強くおすすめする。操作のしやすさがダンチだ。ちなみにDL版も配信中だ。

ダンガンロンパ。
逆転裁判ファンのみなさん、ミステリーが好きなみなさん、アクションゲームに疲れたみなさん、ゲームを愛する全てのみなさん、大山のぶ代ファンのみなさん、ダンガンロンパをプレイしてみてはいかがだろうか。ここまでで話したような欠点はあるが、物語をつまらなくしているものではなく、プレイを投げ出さなければならないような酷さでもない。キャラクターも個性が溢れすぎているし、ストーリーが面白いのは前に述べた通りだ。こればっかりはプレイして判断してもらいたい。全体的にみても多くの人にとって面白いゲームに分類されるだろう。
犯人を指名するときの緊張感が気持ちいい

PSP版に関しては操作面では大きな不満はなかった。廉価版ではいろいろと修正が入っているようなので廉価版を購入したほうが良いだろう。

体験版も配信中なので興味があったらぜひ。

希望を失っちゃだめだ。

追記:PSvita版が出るみたいですね。なおダンガンロンパ1+2のセットになっているもよう。切霧さんにまた会える。



話はずれるがクローズド・サークル物のミステリとしてアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」が面白かったのでおすすめ。クリスティーの本は手に入りやすいのでいいなあ。



















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